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“therefore” という単語は、
英検やTOEICで出題されますが、どんなイメージですか?
therefore =「それゆえに、したがって、~によって、だから」
という意味ですが、私は、なんだか硬いイメージで、
論文に使う単語かなぁと連想します。
有名なのが、哲学者デカルトのことばで、
(われ思う、ゆえに我あり。)
辞書でも例文として載っていますが、
格言というだけあって、とてもかしこまった印象です。
しかし、英検レベルで言えば、準2級レベルにあたるので、
高校生レベルと位置づけされています。
ということは、使用頻度は高めということになります。
では、くわしく見ていきましょう。
thereforeの使い方とは?
使い方と意味
辞書を調べると、
”therefore”= 「それゆえに、したがって、~によって、だから」
と書かれています。
スピーチで使われたり、
ビジネスではメールなどで使われたりするので、
丁寧で、フォーマルな言い方と覚えて下さい。
一番よく使われるのが、
「~である。したがって・・・だ。」というように、
文と文をつなぐ働きをします。
イメージでいうと、
文章A =原因 . Therefore, 文章B =結果 .
「原因」と「結果」で”therefore” を
挟んで使うことが多いです。
ここで、文法に強い方、ピーンときたでしょうか?
”therefore”は、文と文とをつなぐ役割をする接続副詞です。
このように使います。
there is no reason to keep the patient in the hospital.
(患者の回復してきている、したがって、入院させておく理由はありません。)
It is clear that our company has the responsibility ofthe matter this time. Therefore, we need to apologize as soon as possible.
(今回の事案について、わが社の責任であるということは明らかです。
したがって、早急に謝罪する必要があります。)
接続副詞の使い方
次のパターンはどうでしょう?
(花火は色とりどりだった、それゆえに、美しかった)
この”therefore”は、文頭では接続副詞、
文中では、副詞の働きをします。
副詞の働きを持った接続詞ということは、
前の文と次の分をつなぐ働きをしつつ、
次の結果について修飾する・・・ということです。
文法用語が続きましたが、
苦手でも、どうかスルーしないでください(笑)
というのも、私は、英語を中学生以来、
ずっと学んできていますが、自称『文法アレルギー』です。
1年間、留学してからは、
日常会話にはあまり困ることはなくなったのですが、
学生の頃、英文科を専攻していましたので、
英語のさらに詳しい文法の授業がありました。
そこで、『この動詞が・・・・副詞が・・・を修飾して・・・』
と先生の説明が始まると、もう全く頭に入らないタイプの生徒でした。
・・・と、話をもとに戻しますね。
なにが言いたいかというと、
本当に文法が苦手な私は
『日常会話レベルから一歩踏み出したい‼』と思って、一念発起!
文法を理解するために、
自分でたくさん英作文を作りました。
この場合はどうかなぁ?とか、辞書やネットで調べて、
ことばを入れ替えて、いろいろなパターンで作ってみてください。
この”therefore”についても、練習すればするほど、
どのように使うのか理解できていきます。
Therefore, we never give up.
(どのような問も解決するには必ず道があります。
それゆえ、私たちは決してあきらめない。)
例文のように、あきらめずにがんばりましょうね。
カジュアルか?フォーマルか?
さて、”therefore”の使い方について、話をもどします。
会話でもフォーマルなビジネスなどで使うことはありますが、
基本的には、書き言葉=文語表現として使われることが多いので、
友だちとのカジュアルな会話に使うことはありません。
しかし、この“therefore”、実はとても身近な単語でもあるのです。
数学で使うこのマーク「∴」、覚えていますか?
A<B (A is greater than B)
B>C (B is less than C)
∴ A<B>C (Therefore, A is greater than B, but B is less than C)
そうです、この三つの点マークは、
「ゆえに」と読みますね。
英語では、これを”therefore” と読みます。
ネイティブの人は、”therefore”と聞くと、
数学をイメージすることもあるそうです。
thereforeと同じ意味のことばって?
”therefore”には、いろいろ言い換えることができます。
英語の世界では、
同じことば、単語をそのまま何度もつかうことは良くないとされています。
日本語でも同じようなことが言えるかと思いますが、
英語は特に、ライティングの大前提として、
言い換えがルールとなっています。
文章中で使える“therefore”と同じことば
“Thus”
(会社は岩田家によって200年経営されてきた。したがって、会社は代々受け継がれてきた。
“Consequently”
(昨日は雨が降りやまなかった。その結果、野球の試合は中止された。)
“In consequence”
(家の一部は地震によって破損した。)
“As a result”
(彼らは昨年の夏からけんかをしている。その結果、お互いに会うことはなくなった。)
“Hence”
(彼はアメリカ合衆国で10年間過ごした、ゆえに彼の英語は流暢である。)
などがあります。
一番後の”Hence” はあまり一般的ではないです。
本当に硬く古い印象を持つ
「それゆえに」という意味になります。
次の動画でくわしく、わかりやすく説明されています。
ネイティブの英会話講師の解説なので、
ALL ENGLISHですが、とてもわかりやすいので、
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ちなみに、この動画の中でも”Hence”については、
古いことばなので、たとえ文語でもつかわないとの見解です。
会話中で使える“therefore”と同じことば
それでは、会話での”therefore”の言い換えを見てみましょう。
“so”
(私は彼が好きです、だから、プレゼントをあげました。)
It was pouring rain, so my clothes were soaking wet.
(どしゃぶりの雨でした、だから、私の服はずぶ濡れでした。)
文章を切らずに「~だから」と言いたい時には
一文で表現できる“so”を使います。
“because”
(彼は棚に手が届きません、なぜなら背が低いからです。)
こちらも文章を切らずに、
一文で「~だから」と言いたい時に使います。
この“because”は、初級から登場する単語で、
「~だから、といえば”because”」と中学生の頃に覚えませんでしたか?
ライティングでも使える単語ですが、
論文などに使用すると文章が幼い印象を与えます。
そして、この“because”は、実は、
単体では文頭に持ってくることはできません。
しかし、”of”をつけて、”Because of” =「~なので」と
理由を表す場合は、文頭に来ることができます。
“because of”
(彼の背が低いため、棚に手は届きません。)
ちなみに、こちらは接続詞ではなくて、
前置詞になります。
つまり、文と文をつなぐ場合の“because”は
文頭に来ることができませんが、“because of~”では
文頭に来ることができるのです。
“That’s why”
(私は昨日財布を失くしました。だから、どこにも行けなかった。)
My girlfriend makes my life happier. That’s why I want to propose to her.(彼女は私の人生を幸せにしてくれた。だから彼女にプロポーズしたいんだ。)
使い方をまとめると、
文を切らずに続けて言いたい時には、
”so” や “because” を使います。
文章を分けて結果を言いたい時には、
”That’s why” を使う、という分け方で覚えると良いでしょう。
thereforeは文頭?文中?コンマ?ピリオド?
さて、そろそろ”therefore”に慣れてきましたか?
これまで、”therefore”の前や後ろに
コンマやピリオドがついて来ましたが、
使い方について整理してみましょう。
- 文頭 = ”Therefore”+ コンマ
- 文中 = コンマ + “therefore”+コンマ
- 文末 = コンマ + ”therefore”
と、覚えましょう。
それぞれ例文を使ったみていきます。
「彼は素晴らしいビジネスマンです。その結果、彼は今年表彰されました。」
・He is such a wonderful businessman. Therefore, he won an award of the year.
・He is such a wonderful businessman, he, therefore, won an award of the year.
・He is such a wonderful businessman. He won an award of the year, therefore.
”therefore”の場所が違うだけで、
上の3つの文はすべて同じ意味になります。
もうひとつ、「;」セミコロンの使い方も見てみましょう。
二つの文の関連性が強く一文で表したいときに使われます。
コンマ、ピリオド、セミコロンの使い方がわかると
接続詞 therefore は使いやすくなりますね。
since とはどう違うのか?
原因や理由を述べるときに使う「~だから」について、
”therefore”・”since” は、それぞれ使い方に違いがあるので、
例文を使って見てみましょう。
(彼は仕事を失いました。だから、彼は家賃を払うことができない。
”therefore”は、相手(聞き手)に重要な新情報
として理由を述べる場合に使用されます。
fax is no longer used in the office.
(現在ほとんどの書類をメールで送ることができるので、
もはやファックスはオフィスで使われなくなった。)
“since”の場合には、相手が理由を知っているという
前提で使われるという違いがあります。
ですから、この例文は、メールが世間一般に
普及しているという状況が理解されているという前提で話が始まっています。
まとめ
今回は、”therefore”について紹介しました。
”therefore”は、「それゆえに」という硬い表現で
ちょっと使いにくいイメージですが、
実は、文と文をつなぐことばとしてとても活躍します。
また、論文や小論文などのライティングの時には、
結論を述べるのに、
”thus, consequently, as a result”
などを使って言い換えます。
コンマやコロンの位置は次の通りです。
- 文頭 = ”Therefore”+ コンマ
- 文中 = コンマ + “therefore”+コンマ
- 文末 = コンマ + ”therefore”
また、会話での「~だから」と使う場合は、
一文で言い切る時は”so” や “because” を使い、
文分ける時は、”That’s why” を使うという使い分けを紹介しました。
そして、最後に”therefore と since” とでは
「~だから」の同じ意味でも状況が違う使い方も紹介しました。
ぜひこの記事を何度も見返して、
話す時、書く時、それぞれに応じて、
一番良いことばを選べるようになってくださいね!