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こんにちは、ベルです。
先日、英語字幕版で『君の名は。(Your Name)』を観ました。
日本語版のほうは4回くらいみていたため、
ストーリーの展開は分かっていましたが、
何度みても面白いです!
英語字幕版で『君の名は。』を見たところ
あのセリフを英語ではこう表現していたのか!と改めて
(言語の)世界観の違いや、(映画の)新しい発見が次々にありました。
タイタニック以来
映画レビューはしてこなかったのですが、
これはオススメしたい!
ということで映画のレビューしつつ
英文の気になるポイントを解説していきます。
『君の名は。』もう見ちゃったよ!という方でも、
楽しめる内容にしました。
日本語で表現される世界観と、
英語版で表現された世界観を比較すれば
より引き込まれること間違いなしです!
君の名は。のストーリーをおさらい
君の名は。の話自体は
よくあるパターンですよね。
確定された未来をしり、
なんとか運命を変えようとするものです。
確定されている運命だから
人の力では簡単には変えることができません。
そのため、一度は諦めかけます。
しかし、主人公の非合理的なファインプレー(your name のシーン)が
人知を超えた奇跡が起こす・・・。
そうして、
本来変わるはずのない「運命を変える」ことができた。
といったストーリーですよね。
(似たストーリー展開として、
ドラえもんの「Stand by me」がありますね。)
で、君の名は。をみていて重要だなー
と感じた部分は2つありまして、
・時間を表す表現
・主格( I You )を表す表現
こういった部分を解説していきます。
初めの冒頭文
さて、「君の名は。」の
一番初めの冒頭を3つに分けて解説していきます。
①
Once in a while when I wake up.
朝 目が覚めるとI find myself crying.
なぜか泣いている そういうことが 時々あるThe dream I must have had I can never recall.
見ていたはずの夢は いつも思い出せないBut…
ただ…But…
ただ…
英語字幕版だと
『Once in a while』というフレーズから始まっています。
このフレーズなんですが、
英語だと結構使われるフレーズなんですよね。
よく使われるフレーズを映画の冒頭に持ってくることで
映画をみる人が君の名に。引き付けられる工夫しています。
新海誠監督は
「上映する全ての時間、観客を引き付けたい」
と言っているように、
監督の想いは、英語版になっても受け継がれました。
ちなみに「Once in a」の部分だけ同じで、
Once in a blue moon
というフレーズもあります。
これは、洋楽や、映画のタイトルに
使われることが多いフレーズです。
blue moon = 青い月(満月)になる頻度が少ないため
「たまにしか起きない珍しいこと」
を表現している単語になっています。
英語は英単語のイメージから
意味が決まっていることが分かりますね。
1つのフレーズをいろんな角度からみると
より英語力は上がっていきますよ。
②
The sensation that I’ve lost something
何かが消えてしまったという 感覚だけがlingers for a long time after I wake up.
目覚めてからも 長く 残るI’m always searching for something, for someone.
ずっと何かを 誰かを 探しているThis feeling has possessed me I think from that day…
そういう気持ちに取りつかれたのは 多分 あの日から
The sensation that I’ve lost something
何かが消えてしまったという 感覚だけが
このフレーズですが
見事に、日本語訳と英文の語順が逆転していますね。
英語は結論(言いたいこと)を先にドン!
と言う傾向がある言語ですからね。
そのため、日本語の語順と
英語の語順が逆転しちゃうことがほとんどです。
しかし逆転していることを知れば、
英語力を伸ばすチャンスにもなります。
どういうことかというと、
「結論から話す」ということを
日本語でも意識すれば英語力が伸びていきますよ。
意識するだけで、
とても簡単なので
日常からぜひ意識してみて下さい。
③
that day when the stars came falling.
あの日 星が降った日It was almost as if…
それはまるで…as if a scene from a dream.
まるで 夢の景色のようにNothing more, nothing less
ただひたすらにthan a beautiful view.
美しい眺めだった。
歌詞のようなフレーズが
ところどころにちりばめられていて、
光景が目の前に広がる魅力的な英文になっています。
「ただひたすらに(Nothing more, nothing less)」
の英文のところですが、
日本語と、英語の表現の違いがありますね。
これ以上でも、これ以下でもない
↓
ただひたすら。
セリフを比較をすると
英語と日本語の文化的違いが鮮明になって面白いですね!
英語字幕がおかしい
英語には「I(私は)」しかない!
このシーンは明らかにおかしいです(笑)
「ぼく、俺、私」と
自分のことを指す言葉は、
英語では全て「I」
という1つの単語だけなんですよね。
そのため、字幕版では、
I (watashi)
I (boku)
I (ore)
となっています(笑)
日本語では、
「ぼく、俺、わし、私」
と言葉を使い分けて
(意味は同じでも)距離感を変えることができますよね。
しかし英語には単語による違いがありません。
そこで英語で距離感を示すときは、
普通は英文の長さ、もしくは時制の違いで距離感を示しています。(距離感については後から説明します)
こういった単語の違いから
国の文化がわかりますよね。
面白ですね!
で、英語をもっと詳しく知りたい方は
僕が発行しているメルマガがあるので、そっちでも詳しく話しています。
興味あれば登録してください。
で、コミック版だとこうなっていました。
先ほどの英語字幕版よりマシになっていますね(笑)
おくれてゴメン!
という表現を言い直すことで
「私、オレ、僕、わたくし」
というニュアンスの違いを表現していました。
Scuse me (すまない)→私
pardon me (すみません)→わたくし
sorry (ごめん)→僕
Whatever (なんだっていいだろ)→オレ
といった感じです。
こうした何気ない日常の英文から
英語の言語感覚はわかりまます。
1つの意味から
いろんなフレーズをしると面白いですね(笑)
「You(あなた)」では距離感がわからない!
三葉が「主人公(瀧)」を呼ぶときにも
言い方で距離感がわかりましたよね。
逆に瀧が「ヒロイン(三葉)」を呼ぶときも
距離感がわかりましたね。
三葉 → 君、あの男の子、瀧くん
瀧 → お前、あの女、三葉
といった感じに言い方をかえて
お互いがどんな距離感に思っているのかがわかりました。
しかし、「I」の問題と同じように、
英語には「You」しか存在しない!!(笑)
だから、日本語だったら伝わる
ビミョウな距離感が英語字幕では上手く伝えきれていない気がしました。
君の名は。英語版のタイトル
君の名は。の英語版でのタイトルですが、
What’ your name?
ではありません(笑)
なじみ深いですが、違いますよ。
正しい英語版のタイトルは、
Your Name.
となっています。
つまり、この作品において
名前を覚えていることが一番の重要なシーンです。
「君の名は・・・?」決定的な違いについて
名前を思い出すシーンですが、
英語版には ”ある違い” があります。
(ここのシーンが非合理的なファインプレーです。)
本当にビミョウな違いですが、
とっても深い意味があるんです。
タイトル Your Name と深くかかわっている
英語表現なのでぜひ押さえて下さい。
「瀧のセリフ」
Your name is Mitsuha. It’ll be okay,
君の名前は みつは 大丈夫I’ll remember. Mitsuha, Mitsuha, Mitsuha, your name is Mitsuha.
覚えてる みつは みつは みつは 名前はみつはYour name is….
君の名前は….(この後名前が思い出せない。。。)
「三葉のセリフ」
It’ll be fine, I remember. I’ll never forget. Taki, Taki.
大丈夫 覚えてる 絶対に忘れない たきくん たきくんYOUR NAME IS TAKI!
君の名前は たきくん!(たき君のファインプレーがあったため)
ほぼ同じことを言っている(ように演出している)英文ですが、
たった1つだけ決定的に違っている部分があります。
瀧 : It’ll be okay, I’ll remember.
三葉 : It’ll be fine, I remember.
okay と fine 程度だったら、
英語の性質(同じ単語を使いたくない言語)だから
わかりますが、
たき君には、will があって
三葉には、will がない!
この違いに気づきましたか?
この will のありなしで、
さきほど解説した「距離感」を表現しているんです。
will は未来を表現する言葉なので、
ちょっと先(離れている)の話になりますよね。
ということは、
「I’ll remember.」と言っている瀧くんは、
もうすでに記憶が離れかけている(記憶があいまい)
ということです。
逆に、三葉は「I remember.」現在系です。
つまり、まだ頭に定着していて、
憶えている!
ということなんですよ。
この違いを表現するために
時制をあえて変えて
お互いの記憶の距離感を演出しています。
このように同じ言い回しでも
ちょっと違うことがわかると
かなり英語スキルが伸びていきます。
『君の名は。』では、
同じ意味をあえて違ったフレーズに言い直している
部分がまだまだ多くありました。
高校の同級生と話す日常シーン
年上のおばあちゃんと話すシーン
自分への問いかけ・葛藤のシーン
などなどありますし、
日常的に使われる英文が盛り込まれた
最強の英会話教材となりうる英文ばかりでした。
最後に
最強の英会話教材になるといっても
英文の本質が分からないまま映画を見ているでは
もったいないですよね。
これまで解説した英文の知識を入れて
2回目をみるとかなり楽しめると思うので
ぜひもう一度見ることをオススメします!
質がいい英文フレーズが盛りだくさんある
『君の名は。』だからこそ的確に理解することで
楽しみながら英語力を上げていきましょう!
君の名は。の英語字幕版をみる
Amazonプライムだと
いまからすぐに英語字幕版で視聴できます。
かなり便利ですね。
英語版でみることで、
さらに深く『君の名は。』を楽しむことができます。
文化の違いをしることができる
いい機会なので、昔1度みたよ!っていう方でも再度、
楽しみながら英語版をぜひみてください!
ちなみに、こちらはコミックです。
Amazonプライムに入っていたら1巻は無料です。
サラッと読みたい場合は、
こちらでもいいかもしれませんね!
P.S.
君の名は。の作中にでてくる重要なアイテム
「口噛み酒(くちかみざけ)」があります。
これを英語フレーズにしようとしたら
「Chewing zake」とか
「Kuchikamizake」
というふうに、
「zake」となるはずです。
しかし、外国人からすると zake ってなに?
となるので、
作中では、
「Kuchikami sake」
とそのままの表現になっていました。
その後に、三葉の妹の”よつは”が口噛み酒を
「chew up a bunch of that sake」
と表現しており、
口噛み酒を言い直した英文になっていました。
英語字幕版でみると、
いろんな英語表現を読解して楽しかったし、
なによりも『君の名は。』の深みをどんどんと感じられて最高でした。
それでは今日はこの辺で。
また!!