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こんにちは。
英語の品詞の中でも前置詞は使い方が分かりにくく、頻繁に出てくるので使い方に苦労しますよね。
onなどの前置詞は動詞と一緒に出てくることもありますし、
どんなふうに物や人との関係を示そうとするのか、
前置詞を知らない日本人にはハッキリしません。
場合によっては前置詞がそもそもどう違うのか僕たち日本人には全然分からないような状況も多く見られます。
さらに驚くべきことに、前置詞は40個もあります。
この40個の前置詞の中でも「on」は使い方が広く、その多岐に意味があるので
特に会話にとても用いられます!
例えば単にテーブルの上に乗っているような場合だけではなく、
何かにくっついているような状態や、位置関係でも使われています。
この記事を読めば、onが「上」に乗っているという意味以外にも
「on」という単語には、『自分がそのことに強く関わっている』ということを伝えるという重要な役割があることが分かります!
この記事は具体的なonの表現も説明しました。
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位置関係Onの使い方
先ほども言いましたが、「on」は会話にとても用いられて、使い方が広く、その意味するところが多い前置詞です。
学校で習った時、onは「上」という意味でしか使いませんでしたが、
「上」という言葉では完全に置き換えることはできないようです。
しかし、英語に常に接していると、onは位置関係を示す場合だけでなく、
他の動詞と一緒に使われる場合も多いし、動詞とセットでイディオムのようになって出てくることも多いです。
onという前置詞はネイティブスピーカーにとって前置詞を使うことで、気持ちの入り方やニュアンスが大きく変わり、
生き生きとした会話のためのツールなのです。
前置詞を使うことで、英会話が洗練されていき
ネイティブと話していても100点に近い英会話をすることが出来ます!
まずは代表的な「位置関係のon」を紹介しておきます。
何かにくっついている
学校で習う基本の一般的な”on”の用法としては、「上にある」という意味で使われます。
教科書にも出てくる”on”の代表的な使い方に例えば
a book on a table: テーブルの上の本
という例文は、何かの「上に乗っている」という意味の”on”ですね。
この場合の“on”が示す位置関係を理解するのに、日本語の「上」という言葉にとらわれすぎると、なんだか分からない不思議な”on”の使い方に出会って、パニックになることがあります。
実際の会話の中で使う、位置関係を示す別の”on”の使い方を見てみましょう。
a fly on the ceiling: 天井に止まったハエ
このハエは、天井にさかさまになって止まっているので、天井の「上」にいるのではありませんが、ハエの立場になってみれば自分の足の下に天井があるのですから、天井に立っている、という状態ですね。
テーブルの上にある本とこのハエの位置関係は同じものです。
”on”は、「上」ではなく、
何かに「接触している」という位置関係を示しています。
「上」といってしまうから重力に逆らって天井にくっついているハエを”on”というのは不思議な使い方になりますが、頭を切り替えて、
何かの「表面にある」、「くっついている」ということを言うのだと理解することにしましょう。
そうすれば、
a picture on a wall: 壁にかかった絵
a stamp on a letter: 手紙に貼った切手
といった”on”の使い方が分かってきます。
すぐ近くにあって支えている
物理的に接触してなくても、「くっついている」とみなせる場合があります。
例えば、
a town on the sea: 海に面した町
という場合、海と町がどのくらいの距離にあるかを問題にはしていません。
a book on a tableという言い方をもう一度みてみると、本はテーブルに触っているだけではなく、テーブルが本をその位置に置いている、ということを言っています。
本がテーブルに支えられているのですね。
この「支える」という関係は上の四つの表現に共通のものです。
この理解をa town on the sea に当てはめると、町が海に寄り添って立っている姿が浮かんできます。
もっと抽象的な”on”の使い方もあります。
on the left: 左側に
この”on”は一般的な方向や場所を示すもの、とされますが話し手の感覚としては、上の”on the sea”と同じものです。
ここまでみてきた”on”で示される位置関係をまとめてみます。
「上に」「くっついた」「面した」「(~の)方向にある」
という意味がすべて、”on”という一つの単語で言える、というところから“on”の本来の意味が見えてきませんか。
“on” は何かに非常に近いところ、すぐに手の届くところにある、という関係を表すためのワードなのです。
そう考えれば一番一般的な「~の上にある」という用法はこのうちの一つにの状態を日本語で言ったに過ぎないことになります。
そして、”on”の後に来るものは前に来るものを支えている、という関係があります。
この”on”の指し示す関係を頭において、一般動詞に繋がる”on”の使い方を探してみると、
hang on a nail: 釘にかける
stand on foot: (自分の足で)立ち上がる
feed on insect: 昆虫を常食とする
位置関係だけでなく、距離の近さと支えているという構図が成立していますね。
On の本質的な「関わっている」という気持ち
取り組みを示すon
ここまでは、”on”によって表されるものの位置関係を詳しく見てみました。
次は”on”で表される関係に主語として「人」がついたとき、
主語(である私)が、何かに対して取り組んでいる状態、
そのことに対して自分が働きかけようとする気持ちを表現する、
という使い方になります。
自分が状況をリードする、主導する、という意識が表わされるのです。
具体的な用例をみてみます。
We work on the team.: 私たちはチームで作業をしている
Let’s put it on agenda.: それを議題に加えよう
A flight is on schedule.: フライトは予定通りに飛んでいる
例えば一つ目の例で We work as a team.というよりもon a teamといったほうが、workとteamの関係がもっと一体のものとして現れています。
「くっついている」「支えている」という位置関係が感じられるので”on”の前後のものが気持ちの上でずっと近い、この感覚が”on”という単語によって英語になっているのです。
この使い方の”on”が一般動詞と結びついて、目的語を導く前置詞として使われると、
話し手がそのことに取り組む、
それに向かって活動をする、
というニュアンスのある表現になるため、自分の意志で何かをやるという思いが伝えやすくなるのです。
次の文章からそれぞれ“on”を除いても、文としてのの意味は通じますし、そもそも普通に翻訳すると、日本語の表現としては”on”があってもなくても変わらなくなってしまいます。
しかしながら、“on”が入っていることで、話し手がこの問題に今、取り組んでいること、自分がこの状況に対して何かしようとしている意志があることが伝わります。
I will take the responsibility.: 「私が責任をとります」
I will take on the responsibility.: 「私の責任でやります」
I can get with her.: 「彼女とはうまくやります」
I can get on with her.: 「彼女とはきっと仲良くできます」
Bring John and the team will complete.
「ジョンが来てくれればチームができる」
Bring on John and the team will complete.
「ジョンを連れてくればチームは完成する」
例えば会話の中で、進めている仕事がうまく行かないようなときに
A. “Gees, this one is not going well!”
B. “He should take his responsibility.”
といえば、業務がうまくいかないことについて、担当者に責任を取らせようとしている、という意味になりますが、
B’. ”He should take on his responsibility.”
といえば担当者に責任を持ってやってもらおう、といっているということことになります。
活動を示すon
動詞によっては取り組みを示すという気持ちが、何かが引き続いて起こるということを示すことがあります。
この、そのまま活動をするというニュアンスが感じられる”on”を探してみると、こんな用例があります。
We will carry on this discussion tomorrow.: この話はまた明日も続けよう
You have to go on if you like to win.: 勝ちたいのならやり続けることだ
Let’s move on to next issue.: 次の課題に進もう。
これらの文章では動詞の後に“on”が入っていることで、この状況が今既に進行していて、それをさらに押し進める、という意気を含んだ表現になっています。
このように、動詞の後に”on”という前置詞を選ぶことで、動詞と目的語との関係をもっと強いものにできるのです。
これによって、その話題への話し手の気持ちの入り方が伝わります。
テレビの英語ドラマを聞く時や、ネイティブと会話する際に、おやっと思うところに”on”が入っていたら、話し手が何を言いたかったのかもう一度考えてみると、英語が身近に感じられるようになります。
Onを使った表現①:Come on.
たった二つの単語の“Come on”というよく知られたフレーズがあります。
実はこの文は、会話の中で非常に良く使われるお馴染みのフレーズです。
使い勝手が良いので、ぜひ意味を理解しましょう!
かなりくだけたフレーズで、親しくなったネイティブとの会話での最頻出語句の一つですが、様々な状況で広く用いられます。
“Come on”の場合のように命令形で使われれば話し手のほうに向かって移動することを指します。
日本語で言えば「来い」ということです。
これに“on”がつくことで、相手に行為をうながす気持ちが表現されます。
つまり「早く来なさい」ということ、これが”Come on”の基本の意味です。
「早く来なさい」は“Come”だけでも通じるのですが、
“Come on”とすることで話し手の気持ちがこめられた表現になります。
この“Come on”は物理的に相手のほうへ動くという「物理的な」意味だけでなく、「心理的な」意味でも使われます。
実際にこのフレーズがどんな使い方をしているのか見てみましょう。
A. “Come on, we’re gonna be late!“: 「Come on! 遅れるぞ」
A. “I’m not sure I really want to do this.”:
「これ、本当にやりたいのかどうかわからなくなってきたよ」
B. “Come on!”: 「Come on!」
A. “Wait a minutes. I like to check what was on written on the previous paper.”:
「ちょっと待ってくれ、前の資料になんて書いててあったか見てみよう。」
B. ”Come on!”: 「Come on!」
A. “Come on, Jack! This is the third time you made this mistake.”:
「Come on, Jack! これでこのミスは3回目だぞ。」
ご覧のように、とにかく相手を説得したい、相手の気持ちに働きかけたいという気持ち、を伝えるときにはどんなときでも使えます。
自分がフラストレーションを感じているという状態を感じ取ってもらえれば”on”が伝えていることが通じています。
上の会話の例を日本語に訳そうとするとそれぞれの場面ごとに違った感嘆詞やまだるっこしい言葉を使わないといけなくなりますが、
“Come on”を口にした人の気持ちの動きを理解してもらえば何を言いたいのか、受け止めることができます。
以上の四つの表現はすべて同じ“Come on”というフレーズを使って会話が成立していますよね。
そのことを考えると、この英語の意味がつかみやすいと思います。
「おいおい、なにやってるんだ」「いいかげんにしろよ」「早いところ終わらせてしまおう」といった気持ちがこめられています。
仲のいい友人同士で使うときは、合いの手を入れるような言葉になります。
決して相手を非難してはいないので、自分が言われたときは、つっこまれた時に笑ってジョークで返すくらいの気分で聞いてください。
“Come on”を入れると、その会話をリードする側になります。
相手を動かしたい、相手に働きかけたいと思うような会話の中で、ぜひ使ってみてください。
動作の方向を示すon
下の例文では話し手がその問題にかかわっている気持ちを表したり、
話のテーマに飛びかかっていくような、積極性を感じます。
このように “on” には話し手の感情の動きを示す作用があるのです。
このような”on”が感情を示す使い方の用例をみてみます。
an attack on religion: 宗教への攻撃
have pity on him: 彼を哀れむ
agree on price: 価格について合意する
上の用例で使われる ”on” には自分以外にあるものに、行為を仕掛けるという意識があります。
ここで出てくる「外」の感覚を、もう一つの前置詞の “in” との関係で比べてみます。
Onを使った表現②:Come on in.
“Come in!” というフレーズがあります。
文字通りの意味は「来い」で”Come on!”と同じです。何が違うのでしょうか。
”Come in”は話し手が所有、支配している領域に相手を呼び入れる表現です。
呼び入れる場所は「心理的」「物理的」と2つに分けて考えていきましょう。
Come in!
例えば、「心理的に」なら
自分が上司に呼ばれて上司の部屋まで行き、ドアのところで立ち止まっていると、上司がこちらをみて”Come in!”という、ような感じです。
相手の領域に入り込むのですから許可が必要です。
”Come in”には相手が「入ってもいい」という承認の意味が含まれているのです。
これは物理的にではなく、心理的な気持ちを伝えています。
「物理的に」ならこんな状況を考えてみましょう。
あなたが会社の会議室を通ったら、知った顔が何人か集まってピザを食べて楽しげにくつろいでいます。
どうやら実績を達成したので身内のグループだけで小さなパーティをしているようです。
あなたが、「何してるんだい」と聞けば、きっと彼らは「入れよ!」といってくれるでしょう。この「入れよ」は ” Come on in!” になります。
これを会話にして書けば
“What’s going on, here?”
“Hi Jack, come on in!”
ここで “Come on in”の “in” は「中へ入る」の意味で、「物理的な」許可をもらっています。
しかし、ここで勘違いしてはいけません。
“on” はパーティへ参加するあなたの行動を促し、会議室へ入ることを許可してくれますが、心理的な許可ではありません。
もしも彼があなたに ”Come in!” と言ったなら、あなたに何か言うことがあって呼んでいるだけで、パーティの仲間に入れとは言われていないかもしれません。
”Come on in!”と言われたら、あなたは会議室に入り、”Congratulations.”、または”Thank you.”と一言いって握手をすれば、パーティで出されているピザを一切れ取る資格ができます。
副詞、形容詞のon
修飾語としての使い方
”on”が独立して使われることもあります。
and so on: ~など
という使い方も独立して使われていますよね。
”on” だけで「関わりを持った」、「活動している」という意味を表しています。
このような用法として、主語や動詞を修飾する形の一般的な例を見てみます。
put your shoes on: 靴を履く
turn the light on: 灯りをつける
game is on: 試合は始まっている
といった使い方がされます。
このように独自で用いられる”on”の用法で、知っておくと便利なフレーズがいくつかあるので紹介していきます!
Onを使った表現③:Bring it on.
Bring it on! 課題にチャレンジする!という意気込みを示します
Bring it on! という言い方があります。
この ”it” は熟語のように、このままのフレーズで使われます。
「 bring 」は「持って来い」又は「連れて来い」ということです。
しかし、”on”がつくと、自分が課題にチャレンジするという意気込みを示すイディオムとして使われます。
このフレーズが使われる状況を見て行きましょう!
”Do you think you are a better player than me? Bring it on!”
「俺よりお前のほうがいい選手だっていうのか。Bring it on! 」
“Next presentation will be a key for the plan.” “OK. Bring it on!”.
「次のプレゼンがこの計画のヤマだな。」「よし、Bring it on! “」
“Bring it on.”は ”I will do that.”「俺に任せろ」と同じ意味ですが、
”on” を用いることでもっと前向きな気持ちを表しています。
日本語には訳しにくい言葉なのですが「それは自分がやる」「自分にそれができることを見せてやる」という気概を感じさせます。
あえて訳すなら、「受けて立つ」、「俺に任せろ」といった日本語訳になります。
”Come on”が自分に向かっている表現といってもいいかもしれません。
自分がチャレンジするべき難しい状況にであったら、自分を奮い立たせる言葉として使ってみて下さい!
Onを使った表現④:I’m on it.
I’m on it. 課題にチャレンジする!という意気込みを示します
次に“I’m on.”または ”I’m on it.”という表現。
この文は意味を持っている単語が “on”だけの言い方で、文法上はほとんど何も言っていません。
しかし、これは自分がその状況に対して積極的、前向きだという意志を表すキーフレーズです。
シンプルですがかなり強い表現で、大きく二つの状況で使われます。
まず一つ目は
賛成する時
何か自分ではない人の意見やプランに賛同するというとき、それに「乗った」という言い方です。
昔の映画でしたが、山を開いて住宅地を広げようとすることに反対し、動物たちの森を守ろうとする子供たちがいろいろといたずらをして大人たちを困らせるという話がありました。
いたずらへの対策に借り出された警官の一人が、途中で子供たちを追うのをやめてしまいました。
“ Why don’t you do your job?”
“ I’m on them.”
自分は子供たちの考えに賛成だ、ということです。
もうひとつの使い方は
了解した時
上司から自分が何かをやるように指示された業務を「指示通り進めています」、又は指示されたその時点で「了解しました」という返事をする場合に使われます。
“Jeff, check the records and find if we had any problem.”
“ I’m on it.”
Jeffが既にこの作業をすすめている場合も、今この場で指示された場合も”I’m on it.”で返事になります。
後の場合は特に、単に ”OK” などと答えるよりも、言われた仕事を自分が引き受けてあなたに代わって終わらせます、という意志を表す、強い表現です。
「そのことは自分が引き受けた、どうやればよいかも分かっているから、任せてください。」ということを”on”で言い切ります。
このフレーズはかなりはっきりした上下関係を感じさせるので普段の生活では気をつけて使いますが、警察官や軍隊関係のやりとりではよく使われてフレーズで、さらに省略して 単純に”On it!” となっているのもよく聞きます。
アメリカのテレビ番組でミステリや戦争物を見る機会があったら気をつけてみてください。
とても短いフレーズなので聞き落としやすいですが、やりとりの緊張感が伝わってくるはずです。
Onを使った表現⑤:This is on me.
This is on me. ここは僕が払うよ。
最後にもうひとつ、”on”を使った重要な表現を紹介しましょう。
あなたがアメリカ人男性とスタバに行きます。
好きなコーヒーをオーダーして、彼がまとめて払い、アメリカ人が ”This is on me.”と言ったら?
「ここは僕が払うよ」ということです。
アメリカ旅行をしていて、初めての街でバーに入り、ビールを注文しました。
バーテンダーがグラスをコースターに乗せて”This is on us.”と言ったら?
「一杯目は店のおごり」という意味です。
自分の街に来てくれた旅行者に感謝とWelcomeの気持ちを伝えるためにサービスしてくれたのです。
こういった文化がアメリカにはあるので、アメリカは素晴らしいですね。
まとめ
「硬い」英語だった表現がOnという簡単な単語一つで、一気に気持ちの入った英語になることが分かったと思います。
ネイティブの英語にふれる機会があったら、気をつけて聞いてみてください。
今までよりも血の通った、温かい英会話が聞こえてくると思います。
特に英語を聞いていて、なぜ”on”が入っているのか、ちょっと変に思う文章に出会ったら、”on”を抜いてみたらどんなやりとりになるか、考えてみてください。
自分でネイティブスピーカーと話をするチャンスがあったら、動詞のあとに”on”をいれてみたらどんな気持ちを表現できるか試してみるといいと思います。
自分の英語に感情がこもり、生き生きとした英文にする”on”という一語をこれから是非使ってみてください。
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