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洋楽には邦楽にはない魅力がたくさんありますよね。
その中には美しくてカッコいい曲もたくさんあります。
私も小学生の時に洋楽にハマり、
日本語には無い表現や、
英語だからこそカッコいいフレーズ
などに魅了されてきました。
現在私はアメリカのロサンゼルスに
あるカレッジに通っています。
その間には、
色んな場面で洋楽に励まされ、
助けられてきました。
今回は、そんな私が今まで聴いてきた
洋楽の中でも特に、
生きる価値を見出してくれる、
美しくてカッコいい応援歌のような曲を
一曲紹介したいと思います!
私が紹介しますのは、
P!nkの「Perfect」という曲です。
P!nkはアメリカ出身の女性ソロアーティストです。
この曲は、
「Fucking perfect」と「Perfect」という
タイトルで2つバージョンがあります。
この記事では歌詞の言葉が
少し緩和されているクリアバージョン
(fuckingなどのFワードが除かれています)
の「Perfect」を紹介したいと思います。
それではまず実際のMVと歌詞を、
私独自の解釈による和訳と共に見ていきましょう。
Fucking perfectの和訳
[バース 1]
Made a wrong turn, once or twice
(一度や二度、間違えることもあった)
Dug my way out, blood and fire
(血を流し燃え上がりながら自分の道を探し求めた)
Bad decisions, that’s alright
(間違った決断、でも平気よ)
Welcome to my silly life
(ようこそ、私の馬鹿な人生へ)
Mistreated, misplaced, misunderstood
(虐待、放棄、誤解)
Miss “no way it’s all good”
(ミス「そんなわけない、全て上手くいくわ」)
It didn’t slow me down
(私を落ち着かせることはなかった)
Mistaken, always second guessing
Underestimated
(間違った考えをされ、いつも次のことばかり考えて、見下される)
Look, I’m still around
(ほら見て、私はまだそんな感じなの)
[コーラス]
Pretty, pretty please
Don’t you ever, ever feel
Like you’re less than, less than perfect
(お願いだからどうか、
自分は完璧には満たないなんて思わないで)
Pretty, pretty please
If you ever, ever feel
Like you’re nothing, you are perfect to me
(どうかあなたがもし自分が無意味な存在だと思ったとしても、
あなたは私にとっては完璧だから)
[バース 2]
You’re so mean
When you talk
About yourself, you were wrong
(あなたは自分について話している時、
とても愚かだわ。あなたは間違っている)
Change the voices in your head
(頭の中で声を変えて)
Make them like you instead
(代わりに彼らに好かれようとしてる)
So complicated, look happy, you’ll make it
(とても複雑で、幸せそうに見えて、
あなたはそれを作ってる)
Filled with so much hatred, such a tired game
(たくさんの嫌悪感で自分を満たして、
なんて疲れるゲームなの)
It’s enough, I’ve done all I can think of
(もう十分よ、私が考え付くものは全て出尽くした)
Chased down all my demons, I’ve seen you do the same, oh
(自分の中の悪魔を追いかけ回したの。
あなたも同じようなことをしているのを見てきたわ)
[コーラス]
Pretty, pretty please
Don’t you ever, ever feel
Like you’re less than, less than perfect
Pretty, pretty please
If you ever, ever feel
Like you’re nothing, you are perfect to me
[ブリッジ]
The whole world’s scared, so I swallow the fear
(世界全体が怯えている、だから私はその恐怖感を飲み込むの)
The only thing I should be drinking is an ice-cold beer
(私が飲むべき唯一のものは、冷えたビールよ)
So cool in line, and we try, try, try
(道に沿って冷静になってみて、私たちは挑戦し続ける)
But we try too hard, it’s a waste of my time
(でも私たちは頑張りすぎてしまう、それは時間の無駄よ)
Done looking for the critics, ‘cause they’re everywhere
(批判を追い求めてしまう、だってそこら中に広がってるから)
They don’t like my jeans, they don’t get my hair
(彼らは私のジーンズが嫌い。私の髪型が嫌い)
Exchange ourselves and we do it all the time
(自分たちを置き換えて、私たちはいつもそうやってる)
Why do we do that?
(どうして私たちはそうするのだろうか)
Why do I do that?
(なぜ私はそうするの?)
(Why do I do that?)
[コーラス]
Yeah, oh, oh pretty, pretty please
Pretty, pretty please
Don’t you ever, ever feel
Like you’re less than, less than perfect
Pretty, pretty please
If you ever, ever feel
Like you’re nothing, you are perfect to me
Yeah, you’re perfect, you’re perfect to me
Pretty, pretty please
If you ever, ever feel
Like you’re nothing, you are perfect to me
実際に聴いてみた感想はどうでしょうか?
凄く励まされる言葉がたくさんあって、
背中を押されている感じがしませんか?
この曲は、ただ頑張れと言ってくれるような
ポジティブな言葉だけの曲とは違い、
聴いている人の隣に寄り添って、
同情してくれるような曲です。
具体的にどういうところが
聴く人を魅了しているのか、
私の観点で解説していきたいと思います。
カッコいいポイント
心に刺さるフレーズが多い
この曲は、この曲を聴いている
様々な人が共感できる部分が多いです。
聴いている人が、
「自分もそう思ったことがある」と感じたり、
自分も経験したことがあるから、
歌詞の言葉がよく分かったりするのです。
例えば、
Mistreated, misplaced, misunderstood
(虐待、放棄、誤解)
Mistaken, always second guessing
Underestimated
(間違った考えをされ、
いつも次のことばかり考えて、見下される)
という部分は、実際に
この一つ一つの言葉に該当する
ような経験をしたことがある人々なら
とても共感できる部分だと思います。
Mistreatedやmisplacedは
主に虐待、(児童)放棄という意味になりますが、
それだけに限らず、色々な場面や状況で
不当な扱いを受けたりしたことが
ある人もこれに当てはまるのではないでしょうか。
これらの言葉は実際に経験した人の
記憶に触れるものだと思います。
また、
Made a wrong turn, once or twice
(一度や二度、間違えることもあった)
という言葉は、
まさに誰にでも当てはまることですし、
Change the voices in your head
(頭の中で声を変えて)
Make them like you instead
(代わりに彼らに好かれるようにしてる)
という部分は、例えば、
他人に嫌われないように良いように
振舞ったりしている人には
とても身近なことだと思います。
私も昔実際に、
人間関係をややこしくしたくないために、
相手の良いように無理に自分を作って
振舞って、裏でしんどい思いを
していた時期がありました。
なので、この歌詞を初めて聴いたときは、
凄くこの曲に自分が
見透かされているような気がして、
気づいてくれているような気がして、
気分が楽になりました。
このようにこの曲には様々な人に
当てはまることがたくさんあるのです。
聴き手のことをよく理解してくれる
一つ目のポイントで、
聴き手に当てはまることが多いと解説しましたが、
それはつまり、曲が、作曲者が、
聴き手のことをよく理解している
ということです。
例えば、
You’re so mean
When you talk
About yourself, you were wrong
(あなたは自分について
話している時、とても愚かだわ。
あなたは間違っている)
という部分は、まるで自分のことを
批判的に話している時の
私たちのことを
見透かしているような
言葉に聞こえます。
また、
So complicated, look happy, you’ll make it
(とても複雑で、幸せそうに見えて、
あなたはそれを作ってる)
Chased down all my demons, I’ve seen you do the same, oh
(自分の中の悪魔を追いかけ回したの。
あなたも同じようなことをしているのを見てきたわ)
Exchange ourselves and we do it all the time
(自分たちを置き換えて、
私たちはいつもそうやってる)
という部分は、聴き手の図星であったり、
まさに曲が聴き手のことを知ってくれている、
見てくれているのだということが分かるので、
聴き手は、
「ちゃんと自分のことを分かって
くれている人もいるのだ」と気付かされます。
聴き手に寄り添うような励ましの言葉
この曲の最大の特徴とも言えるのは、
聴き手を勇気づけてくれる励ましの言葉です。
特にサビの部分でそれは
大きく記されていると思います。
Pretty, pretty please
Don’t you ever, ever feel
Like you’re less than, less than perfect
(お願いだからどうか、
自分は完璧には満たないなんて思わないで)
Pretty, pretty please
If you ever, ever feel
Like you’re nothing, you are perfect to me
(どうかあなたがもし
自分が無意味な存在だと思ったとしても、
あなたは私にとっては完璧だから)
私が特にこのサビのパートで好きな部分が、
less than perfectという表現です。
Less than perfect、完璧よりも少ない、
つまり、完璧には満たない。
そうは思わないで、
という作者のメッセージが、
同時にあなたはどこも完璧に満たしていない
部分はないと言ってくれている
ようでとても励まされます。
また、
If you ever feel like you’re nothing, you are perfect to me
という部分が、例え自分では
無価値だと思っていたとしても、
この曲は自分のことを認めてくれている、理解してくれいるのだ
と感じ取ることができるので、とても励みになる言葉だと思います。
その他にも、
Bad decisions, that’s alright
(間違った決断、でも平気よ)
It’s enough, I’ve done all I can think of
(もう十分よ、
私が考え付くものは全て出尽くした)
など、聴き手をなだめて
安心させてくれるような言葉がたくさんあります。
作者自身の経験と責任感
さてここまで、聴き手の共感や
同情を誘うような言葉や、
聴き手を励ますような言葉を解説してきましたが、
その背景には、作者自身の経験が含まれていると私は思います。
それは、歌詞の色々な部分でも
読み取ることができます。
例えば、冒頭の
Welcome to my silly life
(ようこそ、私の馬鹿な人生へ)
は、歌詞の最初の3文で言ったことに対して、
「私の馬鹿な人生へようこそ」と言っています。
つまり作者自身がそれらのことを経験し、
その経験を少し自虐している表現だと思います。
また、
It didn’t slow me down
(私を落ち着かせることはなかった)
Look, I’m still around
(ほら見て、私はまだそんな感じなの)
They don’t like my jeans, they don’t get my hair
(彼らは私のジーンズが嫌い。私の髪型が嫌い)
という部分も、
「私もそうだった」
「私もまだそんな感じ」と
作者自身の身を晒して、
すこし悲観的に綴っています。
これらの言葉でさらに聴き手は
「作者も同じ経験をしているのだ」と思える
ので、少し自分に自信を
持つことができると思います。
その上で、作者はこのように
綴っている部分があります。
The whole world’s scared, so I swallow the fear
(世界全体が怯えている、
だから私はその恐怖感を飲み込むの)
これは、
「世界中が抱えている恐怖を私が代わりに飲み込む」
と読み取ることもできます。
まるで全てを理解した上で、
自分が身代わりになるから聴き手は安心して、
と伝えているようで、
とても頼りになるような言葉だと思います。
私はこのswallow the fearという比喩は、
特に好きな部分です。
邦楽でも、〜を飲み込む、飲み干すという
比喩表現はよく聴くと思います。
日本語でも英語でもこれは
歌でよく使われる共通の表現なんですね。
このように作者は、
自分の経験も混ぜながら、
聴き手に全力で寄り添い、励ましています。
この曲はそのような美しくてカッコいい曲なのです。
歌詞中にある役立つ英語のフレーズ5選
ここまでこの曲の魅力について解説してきましたが、
今度は、歌詞中にある日常的にも使える
便利なフレーズを5つ紹介したいと思います。
Dug my way out
これは、dig one’s way outという熟語です。
主に
「掘って進む」
「(目の前の障害物などを)かき分けて進む」
という意味があります。
Dug way my outは、
自分の道を掘り進めたという意味になります。
I dug my way out of the maze.
(その迷路から抜け出そうとして道を掘り進めた)
They got there by digging their way through the wall.
(彼らはその壁を掘って通り抜けてあそこに辿りついた)
といったような使い方をすることができます。
Don’t you 〜
これは、〜してはいけないという
禁止を意味します。
これが含まれた、
日常でよく使われるフレーズがあります。
それは、Don’t you dare!です。
日本語で通じやすいように訳すと、
「よくもそんなことできるわね!」
といったような意味になります。
直訳では、
「あえてそんなことしないで」
という意味になります。
これは、ドラマや英語でも
もちろんネイティブの日常会話でも
よく使われるフレーズです。
think of
これは、
「〜について考える」という意味ですが、
think aboutとは少しニュアンスが異なります。
どちらも何かについて
考えるという意味ですが、
thinkにofがつく時は、
対象のもの自体、くっきりとしたその全体像を
思い浮かべている時です。
それに対し、aboutがつく時は、
対象のものは決まっているが、
ぼんやりと何となく考えている時です。
大まかに区別しますと、
aboutは漠然としたものを指して、
ofは直接対象のものを指します。
また、think ofには
「〜について考える」以外にも
意味がいくつかあります。
「〜を考えつく(Come up with)」と、
「思い出す、覚える(remember)」
という意味合いも持っています。
How did you think of that idea?
(どうやってその考え思いついたの?)
I couldn’t think of her.
(彼女のことを思い出すことができなかった)
というように使うことができます。
The only thing S V is 〜
The only thingは
「唯一のこと」という意味になります。
それに主語(subject)+動詞(verb)を
つけると様々な意味で使うことができます。
歌詞では、
the only thing I should be drinking is
(私が飲むべき唯一のものは)
という意味で使われていますが、
他にも色々な単語をはめることができます。
例えば、
The only thing I can do~
(私ができる唯一のことは)や、
The only thing I want is~
(私が欲しい唯一のものは)
といった言い方もあります。
The only think I can do is praying for you.
(私ができる唯一のことは、
あなたのために祈ることです。)
The only thing I want is money.
(私が欲しい唯一のものはお金です。)
何か事柄を指す時は、isの後ろは動詞のing形。
何か物を指す時は、isの後ろは名詞になります。
all the time
これは、
「(その間)ずっと」、
「いつも」という意味です。
alwaysと意味が同じように
捉えられることが多いのですが、
厳密にはalwaysとは違います。
Alwaysは、
習慣的にいつもやっていること、
その行為自体を指します。
I always take a bus at 10 a.m.
(私はいつも朝の10時にバスに乗ります)
対してAll the timeは、
何かを行なっているその間の時間
のことを指します。
He all the time looks at his phone when he’s at his grandma’s house.
(彼は、祖母の家に居る時は
ずっとケータイをいじっている)
もし前者をall the timeにしてしまうと
「私は朝の10時の間ずっとバスに乗る(という行為をする)」
といったような不自然な意味合いになってしまいます。
また後者をalwaysにすると、
「彼は祖母の家に行くたびにケータイをいじる」
という意味合いになります。
これは、祖母の家でケータイをいじっている間の
時間自体を指すというより、
祖母の家ではいつもケータイをいじる
という行為に視点が向くので
少し意味が変わってしまいます。
まとめ
- 様々な人が共感できることが多い
- 聴き手のことを理解している
- 聴き手を勇気付ける励ましの言葉
- 作者自身の経験と代わりの責任感
- 覚えておくと便利な歌詞中のフレーズ
初めて聴いた方も、
今まで何度か聴いたことがあった方も、
この解説を見た後では
またこの曲の印象が
変わったのではないでしょうか。
今後もぜひ、
つまずいた時や落ち込んだ時に
この曲を聴いてみて下さい!
今度は歌詞の意味も一つ一つ
思い浮かべていくと、
この曲がとても助けになってくれると思います。