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『since』と言えば、
現在完了形を学習した時に
セットで学んだ単語ではありませんか?
have + 過去分詞=完了形 を学習した時に、
必ず登場するこの「since」ですが、
完了形以外でも使うことができる単語なんです。
そのとき「since」の意味は、大きく分けて2つになります。
しかし、品詞は、前置詞、接続詞、副詞と3つに分かれていて、
それぞれ使い方が違うということで、
なんだか理解しにくいですね。
これまで私は大学院までイギリス文学を専攻しており、
アメリカへホームステイ経験もあります。
そんな経験もふまえて今回は
分かりやすく since の2つの意味の違いを、
例文や解説を交えて紹介します!
Sinceの意味「~以来、~から」
since の意味の一つ目は、
「~以来、~から」という意味になります。
時間的な継続を表す意味を持っていて、
ある地点から現在も続いているということを表しています。
下の図は、時の流れを表しています。
過去・現在・未来の時間軸で、現在を基準にして、
青色矢印が、ものごとが継続している様子をあらわしています。
この時間の流れの中で、ある地点から現在まで
継続している状態を表すのが「since」です。
では、次に例文をみてみましょう。
使い方①~以来、あの時以来
(私は大阪に2008年から住んでいます。)
It has been raining since this morning.
(今朝から雨が降り続いている。)
いつから大阪に住んでいるのか、
明確にわかっている場合に、since の後には、具体的な年が来ます。
また、いつからのところに、今朝からなど、
過去のスタート地点を表すことばが入ります。
文法は
have + 過去分詞 + since + いつから |
と、覚えてください。
このsince は品詞でいうと前置詞、
in やat などの仲間になります。
前置詞の後には、名詞がくるというルールが
あることがポイントです。
使い方②:~して以来、~してから
先ほど文法
have + 過去分詞 + since + いつから |
がベースになります。
「いつから」の部分が「名詞」ではなく、
文章が来る場合を見てみましょう。
(『○○をした時から、○○をして以来』というような文章)
(私は韓国に高校生の時から住んでいます。)
- since よりも前の文章で、現在の状況を表して、
- since から後ろの文で、それがいつからなのか、
ということを表しています。
ですから、since から後ろの文は、
過去形のセンテンスになりますね。
have + 過去分詞 + since + S + V という順番で
文章が構成されていて、こちらのsince は接続詞になります。
接続詞とは、前の文章と次の文章をつなぐ役割をもっています。
その他の例文も見てみましょう。
(学校を中退してから私はここで働いています。)
My grandfather has started his restaurant since he retired from the Army.
(私の祖父は、退役後、このレストランを始めました。)
使い方③: ~以来ずっと、あれ以来
今度は、「~以来ずっと、あれ以来」というような具体的な年数ではなく、
ある地点からずっと、という表現をしたいときに使います。
(由紀と私は小学生の時に出会いました。私たちはそれ以来ずっと親友です。)
このsince は、副詞の使い方で、
文末にくることが多いです!
そして、since の前にever=今までをつけて、
「ever since=あれ以来ずっと、~以来ずっと」という使い方をします。
ever というのは、「今までに、これまでの人生において」
という広い意味での時間を表すことばになって、
ever since とつなげて使うと、
「ずっと」という強調された意味になります。
それでは since の2つ目の意味を解説しますね。
Sinceの意味「~だから」
例文と使い方
since の意味の2つ目は、
理由を表す「~だから」の意味があります。
こちらは、必ずしも完了形の文章で使われるという訳ではなく、
現在形、過去形、未来形とどのような時制でも使うことができます。
(彼は正直者なので、私に嘘は決してつきません。)
Since it was raining, we took a bus to the station.
(雨が降っていたので、私たちは、バスで駅に向かいました。)
Since we are going to Hokkaido, we need to get ready for cold weather.
(北海道に行くので、寒い気候に対しての準備が必要です。)
例文のように、次の文をつなぐ役割の接続詞で、
多くの場合は、Sinceを文頭で使います。
同じ意味の「as」に置き換えることもできますが、
ニュアンスとして「as」の方がかしこまった印象になるため、
ネイティブは「since」を使います。
ビジネスでの文章でのやりとりや論文などを書く場合は、
「as」という分け方で良いです。
あれ?「~だから」は「because」じゃないの?
って疑問に思いますよね。
それでは次に
同じ理由を表す接続詞 「because」との使い分けについて、説明します。
「because」との使い分け
次の例文の違いを見てみましょう。
(彼はガンを患っているから、6か月間入院している。)
He has been hospitalized for 6 months because he has cancer.
(彼は6か月入院している、なぜなら、ガンを患っているから。)
「Since =~だから」 と使う場合は、
理由が明らかで、聞き手も既に知っている情報や
状況の場合に、使うので意外性はありません。
しかし、「because」の場合は、
聞き手がまだ知らないことを今から話す時に使われます。
ですから、because よりも後の文章について、
相手は初めて聞くことや、驚く内容になるということです。
since のまとめ
まとめると、「since」には意味が二つあります。
①「~以来、~して以来」
- ある過去の地点がはっきりとわかっていて、その時から今までの状態を表すことば
- have + 過去分詞 + since + いつから という順番で文章が構成されていて、
「いつから」のところには、名詞や文章が入る - 「いつから」が具体的ではなくて、あの時からずっと・・・と
強調したい時は、文末にever sinceを使う
②「~だから」
- 理由を表すことばで、過去・現在・未来と時制は問わない
- 「because」との違いは、聞き手はすでにその情報を
知っていることが前提で話をしている - 「as」に置き換えることができるが、
ややかしこまったニュアンスになるので「since」を使う
今回、「since」について紹介するためにいろいろと
辞書で意味を確認しましたが、
前置詞、接続詞、副詞と
品詞別に書かれている辞書がほとんどでした。
品詞で理解しようと読めば読むほど
どんどん分からなくなっていき
頭の中が「・・・???」となります。
私だけかもしれませんが・・・(笑)
文法的な品詞は使い方を理解する上で大切ですが、
今回は品詞にとらわれない方が良いです。
「since」の大きくちがう二つの意味をマスターして、
ぜひ自信をもって使って下さいね!