こんにちは、ジャックです。
フィリピンは世界でも有数の絶景として有名なパラワン島や、ホワイトサンドビーチで名高い観光地であるセブ島もあり、年々観光地としての評判が高くなっていますよね。
そんな観光地としてのイメージが強いフィリピンですが、英語を勉強する留学先としても急激に注目を浴びています。
フィリピン人の英語力は高く、英語だけで意思疎通ができるくらい、フィリピン全体で英語力が伸びています。
実は、フィリピンの英語人口は世界で3位と、日常生活で頻繁に英語が使われており、英語を話す人がほとんどです。
そこで、フィリピンの歴史的な背景を絡めながら、なぜフィリピンの英語力がこんなに高くなったのか?
どんなふうに英語を勉強してきたのか?
ということを実際にフィリピンで生活をしている私がフィリピン人の英語力の実情をお伝えしたいと思います。
この記事を読めば、元々は英語が全然できなかったフィリピン人のように、英語力が急激に上げる方法を知ることが出来ます!
フィリピン英語の歴史と英語教育の実情
フィリピンがアメリカの植民地だった幸運
フィリピンは16世紀から約300年にわたって、スペインの植民地でした。この時代は特に言論統制等はなく、7,500以上の島に分かれている国でそれぞれの島ごとに違う言語を使っていました。
日本語でいう方言くらいの差異の言語もありますが、そもそも元が違いすぎて他の島では通じないような言語もあります。このような状況であったため、島を超えてコミュニケーションを取るために、共通言語が必要な状況になりました。
1898年にアメリカがスペインを買収する形でフィリピンを植民地化すると、アメリカが1,000人を超える英語教師を派遣し、英語教育を強化する施策を取りました。
1930年の時点で、英語普及率が30%を超えていたと言われています。そして1974年にフィリピンがアメリカからの独立を宣言し、新たな教育制度として「二言語併用教育施策」が始められることになりました。
二言語併用教育施策-小学校から英語で授業
二言語併用教育施策とは、小学校の時点で英語を教授言語として使用する教育制度になります。これはすべての授業を英語で行うというものではなく、科目によって英語で授業を行うという制度で、社会科学や保健体育等はフィリピン語(タガログ語など)で、化学や数学等は英語での授業になります。
小学校の時点で必要に駆られて英語を勉強している状況になりますので、高校を卒業している人に関しては一通りの英語が喋れるようになっています。
また、大学を出ている人については、英語の専門書も読めるレベルの英語力があるのが一般的になっています。
ちなみに私も職業柄、日本人の方のフィリピン進学の相談を受けることも少なくありません。実際に現地の大学に進学している知人もいますし、小学校や中学校で現地の学校に通わせたいという要望もいただきます。それは、授業が英語で行われているからに他なりません。
フィリピンへの進学の実情と英語教育の素晴らしさ
私の知人で、フィリピンの大学に進学した日本人がいますので、その体験談を紹介します。
彼女は日本で高校を卒業した後に、入試なしで入れるフィリピンの大学に進学しました。
彼女はその後2年で中退したものの、懸命な就職活動の成果が実り、今はある航空会社でキャビンアテンダントをしています。
何故中退をしたかというと、フィリピンの大学に期待したものと実情がかけ離れたものだったからです。フィリピンの大学はすべて英語で授業が進められる、というインフォームになっていますが、彼女が通っていた大学は、授業は英語で進められるものの、例えば何かの課題に取り組む際に学生同士がタガログ語で打ち合わせをしたり、学生が講師にタガログ語で質問をして、それを講師もタガログ語で答える、ということが頻繁にあったそうです。
もちろんフィリピンの大学がすべてこのような大学ではないものの、やはり英語ができると言っても他に母国語があればそれを使ってしまう、という状況が起きてしまうのだと、彼女の話を聞いて気付くことができました。
とはいえ、彼女は高校まで特別英語が得意ではなかったと話をしていますが、文句を言いながらも2年足らずの勉強でキャビンアテンダントの職を得ることができるところまで到達できているという部分を見る限り、フィリピンの英語教育と英語環境のすばらしさを物語っているといえるでしょう。
フィリピン人の英語の凄さは後述しますが、「英語が公用語の国」にはこのような一面もあることは、先に触れておきたいと思います。
フィリピン人にとって、フィリピンの英語教育は非常に優れた制度ではありますが、外国人がそこに入り込む場合は、大いに検討と吟味が必要です。
フィリピン人の英語力
フィリピンの英語人口は世界第3位
フィリピンは1位アメリカ、2位インドに次いで英語人口で第3位にランクインしています。さらに凄いのはこのランキングだけではなくその内容にあります。
1位のアメリカは英語が母国語の国になるため、国民の約95%が英語を話し、5位のイギリスも同水準ですが、フィリピンは約92%が英語人口という、アメリカやイギリスにも劣らない英語人口比率となっています。
これは、2位のインドが約11%という部分で、大きく内容が異なる部分になります。
参照URL:http://usvisatalk.com/top-10-english-speakingcountries-in-the-world/
私もフィリピンで生活をしている中で、タクシーの運転手に英語が通じないと、本当にびっくりします。
ほぼ毎日タクシーで移動をしていますが(フィリピンのタクシーは初乗り100円程度と、日本の電車感覚の値段で乗れます)、英語が話せない運転手に当たるのは年に2回か3回くらいです。
英語人口の多さは、フィリピンでの日常生活だけでも実感できるレベルです。
フィリピン人の英語に対するモチベーションの高さ
フィリピンの大学卒業者の初任給の平均は、約30,000円~40,000円と言われています。英語がしっかり使えることで、アメリカ等の先進国での職を得ることができますので、その収入を5倍~10倍に増やすことが可能になります。
この傾向は日本でも強いですね。
日本で英語を話せるようになったら生涯年収が1億は変わるというデータがあります。
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また、国内の職業間の給料格差も激しく、例えば警備員の月収は約20,000円ですが、コールセンタースタッフになると、月収で100,000円以上当たり前に稼げるコールセンターも珍しくはありません。
英語ができるかできないかで、それだけ主乳に差が出てくるので、フィリピン人は英語学習に対して非常に高いモチベーションで取り組んでいるのです。
フィリピン人の日常会話における英語レベル
ここでは、日本人が観光に来て食事をしたり、ショッピング等をしたりする場合に感じる英語レベルについてお話をしたいと思います。
まず、通常の飲食店や小売店で使われる英語は、英語人口比率が高いこともあり、英語同士のコミュニケーションにはまったく困らないレベルになります。
例えば日本人や韓国人のような英語が母国語ではなく、英語に慣れていない人に対しては簡単な単語に置き換えて話をし直したり、こちらが首を傾げていたりすると何も言わなくてもゆっくり言い直してくれます。
また、アメリカ人やオーストラリア人と思われる白人が早口の英語で話かけても、しっかり対応をしている印象があり、そういった英語圏の人とのコミュニケーションに困っている場面は見たことがありません。
ちなみに私が勤務している語学学校の先生はTOEICで800点以上はあり
(最高は990点で、TOEIC対策コースの講師は全員900点以上)、
アメリカやイギリスの大学生が何も勉強をしないで取れるスコアが900点~950点と言われているので、この部分でもフィリピン人の英語力の高さが証明されています。
フィリピン人の仕事における英語レベル
元々英語のコールセンター業務委託についてはインドが一番でしたが、現在はフィリピンが受託数1位となっています。理由としては先述した低賃金もありますが、インドに比べて仕事のクオリティが高いこともその理由になっています。
まず、賃金に対しては外資のコールセンターや、先進国からの受託をやっているコールセンターに入ると、平均賃金を上回る収入を、ほぼ確実に手にすることが可能です。平均年齢が約24歳でとても若い国であり、キリスト教の国で中絶ができないという背景もあり、非常に家族の人数が多くなっています。
またフィリピンには整った年金制度がないため、老親はほぼ確実に子供が養わなければならないという実情もあり、「最低限自分が食べていけるだけ稼げればいい」という発想はあまりなく、子供も親も養わなければならないという状況も手伝い、誰もが大変な仕事であっても高収入を望む傾向にあります。
さらに英語レベルについてはインドの英語よりも訛りがないということで、アメリカをはじめ、受託元から高評価を得ているのがフィリピンの英語です。
元々、外国への出稼ぎも含め、英語力が自分たちの収入に直結する深刻な問題になりますので、コールセンターに採用されるようなフィリピン人は競争を勝ち抜いた、フィリピン人の中でもハイレベルな英語スキルを持ったフィリピン人になります。
また、自分たちの仕事がアメリカをはじめとする受託元から受けられなくなると生活に大きく影響しますので、常に英語スキルの研鑽も怠りません。
フィリピン人の友達にコールセンタースタッフがいるのですが、その友人はスタッフ同士、業務が終わった後もロールプレイングをしたり、どうしたら顧客に伝わりやすくなるのかをスクリプトにしたりと、努力も欠かさないと話をしていました。
インドよりも英語に対して必死であるため、高い英語力でクオリティの高い業務を提供できているのです。
フィリピン人の英語訛りについて
インドに比べて訛りがないと先述しましたがフィリピン人の英語は、訛りはあるものの非常に聞きやすい英語です。
英語がネイティブの国の中で最も訛りがあるのがオーストラリアで、私もオーストラリア人と話をしますが、そもそもオーストラリア訛りの場合だと母音の発音が違うため、訛りを知らないとコミュニケーションが取れません。
例えば「A」はオージーイングリッシュ((オーストラリア人の英語))の場合「エー」ではなく「アイ」と発音をします。そのため「stay」という単語を「ステイ」ではなく「スタイ」と発音をします。
フィリピン人の英語にオージーイングリッシュのような強烈な訛りはありませんし、白人がフィリピン人と話をしている時に、何度も聞き返されているような場面は見たことがありません。
フィリピン人の英語は母国語であるフィリピン語(タガログ語)の訛りが若干あるものの、どの国の人ともスムーズにコミュニケーションが取れる英語であると言うことができます。
フィリピン人の英語に学ぶ語学学習のスタイル
もはや母国語に近づいているフィリピン人の英語
日本人がフィリピンに観光に行けば、どこでも英語が通じると言っても過言ではありません。
そして、フィリピン人はただ英語が喋れるだけではなく南国独特のホスピタリティも手伝って、外国人に対してもまったく人見知りすることなく英語でコミュニケーションを取りに行っています。
365日の中で1日も英語をしゃべらない日はない、というフィリピン人は少なくないでしょう。
もはや英語なしでは生活ができない、という意味ではフィリピン人にとっては年々英語が母国語のような身近なものになっていると言えるでしょう。
フィリピン人も日本人と同じように英語を外国語として勉強している
今ではフィリピン人にとって英語は日常に欠かせないものになっていますが、彼らにとっても英語は外国語であるため、必死で勉強をして習得しました。
アメリカ人やイギリス人のように、親が喋っていたから勝手に話せるようになった、ということはありません。
ただし、日本人が親から「有名企業に入れるように勉強しなさい」と言われるのと同じように「アメリカで働けるように英語を身に付けなさい」と言われながらフィリピン人は育てられています。
フィリピン人の親が元々英語を流ちょうに使うことが出来ないので、
子供の英語力を上げるために、英語を勉強する方法を吟味して、英語力を伸ばしていきました。
英語の勉強の方向性が正しかったため、現在のフィリピンはとても高い英語水準を保つことが出来ています。正しい英語の勉強法はこちからから見れます。
また、身近に英語を使う外国人がたくさんいる環境もあります。そのためフィリピン人は日本人よりも必死で英語を勉強しているのです。
英語を学ぶ苦労を理解している
今ではある程度有名になっているフィリピン留学ですが、アメリカやイギリスでの留学と大きく違うのは、自分でも一生懸命勉強してきた人たちが英語を教えてくれるという点です。
アメリカ人やイギリス人は「こういう場合はこういう表現を使う」という部分についてはフィリピン人よりも秀でているかもしれませんが、外国人が英語を学ぶ苦労を知りません。
ですが、フィリピン人は誰もがその苦労をしてきました。どこが分かりづらくて、どこが大変か、自分たちが実感してきた中で英語を教えるというやり方は、アメリカやイギリスでは体験できないことです。
そういった意味では留学を始めとして、フィリピン人から英語学習において学ぶことは少なくありません。
フィリピンの留学はこちらから
まとめ
フィリピンはもはや世界でも有数の英語大国です。英語強豪国と言っても良いですね。
コールセンターをはじめとするBPOの受託も、英語の語学留学ももはや観光と並んで国の産業になっています。
フィリピンに住んでいて、フィリピン人の若者を見ていると、非常に危機感を覚えます。何故なら英語が喋れて仕事に貪欲な若者が、日本人の何分の一かの給料で働いています。
もしも世界が同じ日本人の若者とフィリピン人の若者を比べた時に、どちらを選ぶでしょうか。当然、日本人が負けない部分はまだたくさんあると思いますが、油断していたら追い越される日が来るかもしれません。
英語大国フィリピンから日本人が学べるものはたくさんあると思います。
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