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私たちは普段会話の中で、
様々な比喩表現を使ってコミュニケーションを取りますよね。
比喩表現は、物事を説明する時に役立ちますし、
言葉の幅を広げてくれます。
そんな比喩表現ですが、
英語でも使いこなせたら、
英会話力の幅も広がり便利ではないでしょうか?
私も現在アメリカのロサンゼルスに留学中なのですが、
日常の中で例えば、
「日本語のこの表現は英語ではどう言うのだろう」とか、
「この英語の比喩表現を日本語に訳すとどうなるんだろう」
といった疑問を持つことがよくあります。
そこで今回は、日本人がよく使う比喩表現と
同じ意味で使われていたり、
似たようなニュアンスを持つ英語の比喩表現や、
実際にネイティブがよく使う英語の
比喩表現の日本語訳などを紹介していきたいと思います!
直喩(シミリー)と隠喩(メタファー)
まず、日本語と英語での比喩表現を紹介する前に、
そもそも比喩表現とはどういうものなのかを見ていきましょう。
日本語では、
比喩は大まかに分けて2つ種類がありますよね。
「直喩(明喩)」と「隠喩(暗喩)」です。
英語にもこの2つに該当する単語が存在します。
直喩は英語でsimile(シミリー)、
隠喩はmetaphor(メタファー)と言います。
英語では、比喩のことを全部ひっくるめて、
metahpor(メタファー)と言われることが多いのですが、
明確にはそれだけではないようです。
日本語でも英語でも、直喩と隠喩の意味は同じです。
直喩とは、「〜のような」「〜みたいな」
という表現を使った比喩のことを言います。
英語では、「like」や「as」を使います。
日本語: 人生はマラソンのようだ
英語: Life is like a marathon.
といった表現のこといいます。
一方で、隠喩とは、
「〜のような」「〜みたいな」を
使わない比喩表現のこと全般を指します。
先ほどのlike(〜のようだ)を使った文章から
likeを抜くと、そのまま隠喩にすることもできます。
日本語: 人生はマラソンだ
英語: Life is a marathon.
となります。
比喩にはこのように大きく
二つの種類があります。
これらを再確認した上で、
まずは日本人がよく使う比喩表現で
そのまま英語でもよく使われていたり、
同じような意味で使われているフレーズを
紹介していきたいと思います。
日本語の比喩表現
「時は金なり」
これはよく耳にするフレーズですよね。
「時間はお金と同じくらいの価値があるから
大切にしなさい」という意味で、
教訓としてよく言われます。
これは、英語にそのまま直訳した形でも
英語圏では頻繁に使われています。
英語に訳すと、
Time is money.
です。
とてもシンプルですね。
というのも実は、
このフレーズの由来は英語なんです!
アメリカの政治家、
ベンジャミン フランクリンという方が
言い放ったと伝えられています。
なので厳密には、英語から日本語に訳され、
それが現在の日本でも
広く日常的に使われている…ということです。
日本語でも英語でもこのフレーズは特に、
本やドラマ、映画などで見たり聞いたりすることが多いですね。
「足を引っ張る」
これもよく会話の中で耳にしますし、
自身でも口にすることが多いフレーズではないでしょうか。
誰かの足を引っ張る、つまり、
迷惑をかけるという意味で使われています。
これは大抵「足を引っ張らないで」
という禁止系で使われることが多いです。
これもそのまま直訳で英語に訳すことができます。
それは、
Pull one’s leg
です。
しかし実際日常の中でpull one’s legが使われる際は、
日本語の「人の邪魔をする」「迷惑をかける」
とは少し違った意味で使われます。
正しくは、「からかう」「騙す」という意味で、
英語圏では使われます。
(私のことからかってるの?)
といった感じです。
日本語の「邪魔をする」
「迷惑をかける」という意味で
使われるフレーズは、
drag someone down
や
hold someone back
などが主に使われます。
日本語と英語では少し違ったニュアンスで
使われているんですね。
「顔に書いてある」
こちらも感情や表情を指摘する際に
よく会話の中で耳にしますよね。
相手の気持ちや表情などが
明らかに読み取れる時、
「顔に書いてあるよ」と言ったりします。
それくらい分かりやすく顔に
現れているよ、という意味です。
「顔に書いてある」「顔に出ている」
という表現は、英語圏でもよく使われ、
言い方もほぼ日本語から直訳した形になります。
それは、
be written all over your face. (on your face)です。
直訳すると、
「顔全体に書いてあるよ」という意味です。
日本語との違いはほとんどありませんね。
(お腹が空いてるって顔に書いてあるよ)
という感じで使います。
また、動詞のwrite以外にも
使われている言い方もあります。
その一つが、
show on your face.
です。
これは、日本語の
「顔に出てる」に該当する言い回しです。
(彼女は何か気に入らない時、それが顔に出る)
という感じで使います。
「顔に書いてある」という表現は
日本独自ではなく、
日本以外でも通じる共通の表現だったんですね。
さてここまで、
日本語の比喩表現で英語でも
同じように使われている表現を紹介しましたが、
今度は、英語の比喩表現で日本語に訳しても通じる表現や、
日本語にはないネイティブが普段使っている比喩表現を
紹介していきたいと思います!
英語の比喩表現
「Kill time」
こちらは、日本語に訳すと、
日本人も日常でよく使うフレーズになるんです!
直訳すると、「時間を殺す」という
意味になりますが、
そこから少し想像できるのではないでしょうか。
それもズバリ、「時間を潰す」です。
友達などを相手に
「じゃあその間、時間潰しとくね〜」
という風に言ったりしますよね。
これは英語でも全く同じように使われています。
(その店に並んで待っていた間、携帯ゲームをしながら時間を潰した)
という感じで使います。
Killというストレートに
少し刺激的な表現をすることは
日本語ではあまりないですよね。
「Pig out」
こちらは動物の名前を使った比喩表現です。
「豚のようにガツガツ食べる」、
又は「豚のように平らげる」という意味です。
(昨日の晩ガッツリ食べたから朝ごはんはいらないや)
という感じで使います。
このような動物の名前が
入った比喩表現も面白いですよね。
しかもこのフレーズの場合pigという名詞を
動詞として活用しているあたりが、
特に面白い点だと思います。
「Pure like snow」
こちらは実際私が
ネイティブの友達に教えてもらった、
like(〜のような)を使う比喩表現、シミリーです。
「雪のように純粋だ」という意味です。
(彼女の心は雪のように純粋だった)
という風に使うようです。
日本では、雪に関連した比喩表現といったら、
「雪のように白い」や「雪のように冷たい」
というのが主流ですが、
純粋さや清純さを雪に例えるのは
新しいなと個人的に思いました。
私たち日本人も真似したいほど、
とても綺麗な比喩表現ですよね。
「As cold as ice」
こちらもネイティブの友達から教えてもらった、
asを使う方のシミリーです。
「氷のように冷たい」という意味です。
(彼は氷のように冷たかった)
という風に使うようです。
これは日本語でもよく使われていますよね。
冷たさの程度を伝えたり、
人の性格などを表現する時によく使います。
As ~ as ~ は本来、「〜と同じくらい〜だ」
という意味ですが、
比喩表現としても機能するフレーズです。
他にも様々な単語を当てはめて、
色々な比喩表現を作ることができます。
「Like a ticking time-bomb」
これはネイティブの友達に教えてもらった
likeを使う表現の中で、
私が個人的に独特だなと思った比喩表現です。
日本語に訳すと、
「時限爆弾のようだ」という意味になります。
(時限爆弾のように感じる)
という風に使うようです。
いまいち日本語訳を
聞いてみてもピンとこないですよね。
私も最初聞いた時にいまいち
よく分からなかったので、
その友達に詳しく聞いてみました。
するとどうやら、
「対処しなければとても危険になるほど問題が多い状態」
という意味を表すそうです。
そこでなるほど、と思いました。
時限爆弾とは、
時間がカウントダウンされて、
設定された時間になると爆発してしまいますよね。
だから、制限時間内に解除しないといけない。
この表現はそんな時限爆弾の性質を
比喩に使っているということなんですね。
日本語には無くて、
少しブラック様子もあるユーモアな
比喩表現だなと思いました。
ちなみに、時限爆弾は英語でtime bombですが、
ではtickingの部分は何か、
と言いますと、
「カチカチ(音が)鳴っている」という意味になります。
なので厳密には、
「カチカチ鳴っている時限爆弾のようだ」
という意味になります。
またこの表現はlikeを使わずに、
隠喩(メタファー)としても使うこともできます。
「Heart is stone」
こちらはネイティブの友達から
教えてもらったメタファーの一つです。
「心が石だ」という意味ですが、
この場合は、「石ほど硬い」又は、
「頑丈だ」という意味合いで使われます。
(私の心は石です)
「私の心は石のように硬くて強い」
という意味を表しています。
日本では精神の強弱を表す比喩表現と言えば、
「ガラスの心」や「豆腐メンタル」などが有名ですよね。笑
それと同じような感じで、
英語圏ではこれが心を表す
比喩表現の中でも主流なようです。
どの言語にも心の弱さ、
強さを物に例える表現は
あるのではないでしょうか。
またこの表現は心(Heart)だけに限らず、
他にも置き換えられると思います。
例えば、Brain(頭脳)やBody(体)なども
当てはめることが出来ます。
「Friendship is the sailing boat of life」
こちらは教えてもらったメタファーの中でも、
一際壮大で美しいなと思った表現です。
Sailing boatとは小型のヨットやボートのことを指し、
「友情は人生の帆船だ」という意味です。
これはどういう意味かと言いますと、
「友情は人生という海を渡るための帆船のような存在である」
という意味の表現なのです。
(私たちの友情って、私たちの人生において帆船みたいじゃない?)
という風に使ったりできます。
それほど、友情は人の人生において
大切な役割を果たしているということが分かる、
何だか少し感動させられるような
比喩表現だとは思いませんか。
そして更にこのフレーズの特徴が、
Friendship(友情)とShip(船)をかけているところです。
つまり、Friendship = 友情(friend)という名の船(ship)。
まさに英語ならではの美しくて
洒落ている比喩表現だと思います。
これを英語圏の人たちは
日常生活の中で実際に使っている
のだと考えると、かっこいいですよね。
「Room is disaster」
これも日本語にすると、
日本人もよく使う比喩表現になります。
「部屋が大惨事(大災害)」という意味です。
Disasterは、
災害、天災、惨事などの意味がありますが、
これは、それほど荒れている、
散らかっているという意味で使われます。
(私の兄の部屋は大惨事です)
という感じです。
私たちもよく
「危うく大惨事になりかけるとこだった」や
「今部屋が大惨事だから見せてあげられない」
と言ったりしますよね。
日本語でも英語でも荒れている様子を
表現する感覚は同じなのでしょうか。笑
また、部屋などが散らかっている様子を表す言葉で、
disasterではなく普通の表現を使ったものでは、
messyやuntidyなどがあります。
そして、disasterという表現は、
部屋だけでなく他の物や事柄にも使うことができます。
まとめ
- 2種類の比喩表現、直喩(シミリー)と隠喩(メタファー)
- 日本語表現① 時は金なり= time is money
- 日本語表現② Pull one’s legは実際は、「足を引っ張る」ではなく「からかう」「騙す」
- 日本語表現③ 顔に書いてある= be written all over face
- 英語表現① kill time=時間を潰す
- 英語表現② pig out=(豚のように)ガツガツ食べる
- 英語表現③ pure like snow=雪のように純粋だ
- 英語表現④ As cold as snow=氷のように冷たい
- 英語表現⑤ like a ticking time-bombは
「対処しないといけない危険な状態」 - 英語表現⑥ heart is stoneは
「石のように硬い、頑丈な心」を表す - 英語表現⑦ friendship is the sailing boat of lifeは
「友情は人生において帆船のような存在である」という意味 - 英語表現⑧ room is disaster=部屋が大惨事。
それほど荒れている、散らかっているという意味
以上が、日本語から英語、
英語から日本語の比喩表現の紹介となります!
こうみてみると、日本語と英語で似たような
意味の比喩表現はたくさんあることが分かりますね。
また、英語ならではの比喩表現も、
センスがあって面白いものばかりで、
実際に使いこなせたらかっこいいだろうなと
思うものがたくさんあります。
比喩表現というのは、本当に幅が広くて、
色んな表現があります。
可能性が無限大なのです。
これからぜひここで紹介した
比喩表現ももちろん他の比喩表現も探してみて、
実際英語を使うときに
プラスして使ってみてはいかがでしょうか。