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海外で店員さんから、
「Here you go 」と言われて
お釣りを受け取ったことありますか?
私は、ハワイ旅行の時に、あるお店では、
「Here you go.」と言われ、違うお店では、
「There you go.」と言われて、
お釣りやレシートを受け取った経験があります。
その時は何も考えませんでしたが、
後日になってから、
「シチュエーションは同じなのに、なにが違うのだろう?」と思ったことがあります。
今回は、Here you go と There you go の意味と、
ネイティブが使い分けている理由を解説します。
Here you go と There you go の意味と使い分け
意味はどちらも「はい、どうぞ。」
Here you go と There you go は、
どちらも「はい、どうぞ。」の意味になります。
どちらも慣用句と呼ばれるもので、
一つ一つの単語の意味が
つながって成り立つ文章ではありません。
ですから、「Here you go.」なら、
「ここに、あなた、行く」という
1つ1つの意味はまったく考えなくて良いのです。
Hereまたは There you go. とつなげて使うことで、
何かを手渡すときに使う「はい、どうぞ。」の意味となります。
また、Here you are. や There you are.
と言い換えることできます。
Here/ There you go. の方が、
are を使うよりもカジュアルな印象です。
では、レストランの店員さんとの
やり取りを通して例文を見てみましょう。
Waiter: Here you go. This is today’s lunch special.
(ウェイター: はい、どうぞ。今日のランチスペシャルをお持ちしました。)
You: Thank you. Can I have some water?
(あなた: ありがとう。お水をもらえますか?)
Waiter: Sure. There you go. Is there anything I can help with?
(ウェイター: もちろん。はい、どうぞ。他になにかご用はございますか?)
You: No. I’m fine now.
(あなた: いいえ、大丈夫です。)
Waiter: Ok, then. Enjoy!
(ウェイター: では、ごゆっくり)
このように使われますが、どちらも
「はい、どうぞ。」ですね。
最初のHere you areは、
ウェイターが料理を運んできて
テーブルに配膳する時に使われます。
そして、「お水をもらえますか?」というお願いに対して、
There you go が使われていますが、
こちらは、相手の要求に応える場合の「はい、どうぞ。」で使われています。
しかし、この使い方は、人によっては、
There you goと言って料理を手渡す人もいれば、
相手の要求に対応する場合も
Here you goと言ったりする人もいて、
こればかりは、その人の感覚によって使われている場合があります。
どちらが正解という訳ではなくて、
ネイティブの人の多くが使い分けはあまり気にしていない、
というのが実際のところです。
それじゃ、困るよ! というツッコミを入れたくなりますね。
では、次に、あえて違いを説明するなら、
次のようになります。
使い分けのポイント
もともとの単語の意味を考えてみましょう。
- here は、「ここ、現在地」という意味です。
- thereは、「あそこ、少し離れている地点」ですね。
では、あえて、Here you go と
There you go の違いを表すなら、距離感です。
- 自分から近い場合は、Here you go.
- 少し距離がある場合は、There you go.
じゃ、その距離ってどれぐらい?
というのが気になるところですが、
これも人それぞれですね。
あえて言うなら、私の場合は、
自分との距離がほとんどなく、目の前の場合は、Here you go.
そして、手を伸ばすぐらいの距離は、There you go.と使います。
具体的に言うなら、私の自宅のキッチンはカウンターキッチンです。
私がキッチンに立っているとします。
そこに子どもが側までやってきて、
「牛乳ちょうだい」っと言ったら、「Here you go.」と手渡します。
しかし、キッチンのカウンター越しに牛乳を手渡すなら、
「There you go.」を使います。
イメージができたでしょうか。
距離感でいえば、this と that の違いと同じぐらいの感覚です。
何度もくり返しになりますが、
あえて違いをつけるなら・・・というのが前提です。
ネイティブはあまり区別をつけていないことが多い、と覚えてくださいね。
「はい、どうぞ。」以外の使い方
Here you goとThere you go には、
「はい、どうぞ。」と手渡す以外にも使う意味があります。
それは、後ろにagainをつけて、
「またか」と、同じことの繰り返しにウンザリする時に使います。
例文を見てみましょう。
A: Hey, you know what? When you were 5 years old…
(そういえば、おまえが5歳の時の話だけど・・・)
B: There you go again. Daddy, please stop telling me that story over and over again.
(また始まった。お父さん、もうその話を何回もするの、お願いだからやめてくれない。)
というような、親子の会話ですが、
何度も同じ話をしたがるお父さんに
ウンザリというような時に使います。
この場合、Here you go again でも意味は同じですが、
There you go again の方がよく使われると思います。
There you go.ほかの意味
There you goには、今まで紹介した以外に
まだ、他の意味もあります。
それでいいよ(=You are doing right.)
There you goには、
「今やっていることが正しいですよ」
「その調子ですよ」というような意味でも使います。
(その調子だよ。そのまま続けて。)
よくやったね!(= You did it! You made it!)
There you goには、
できなかったことを達成した時に、よろこびや祝福の声掛けをする時にも使います。
(やったね! できると思ったよ!)
その通り(=Exactly)
There you goには、
会話している相手の意見に同調、同意する時にも使います。
(その通り。私が言いたいのはそういうことなんだよ。)
「はい、どうぞ。」以外のThere you go については、
Youtube動画がとても参考になりますので、
よかったら見てみてください。
まとめ
今回は、Here you go と There you go について学びました。
どちらのフレーズも慣用句で、
「はい、どうぞ。」と使うことがわかりました。
また、Here とThere の使い分けについては、
ネイティブはあまり区別がはっきりとしていないことをお伝えしました。
英語を母国語としない私たちからすると、
とてもわかりにくいですね。
そして、あえて違うとすれば、
それは「距離感」ということです。
自分からすぐ側の場合は、Hereを使って、
少し距離がある場合は、Thereを使うということを解説しました。
また、Here/ There you go again. には、
「またか」とうんざりする感情を表すということを紹介しました。
そして、最後に There you go には、
他の意味があるということを紹介しました。
Here you go.
There you go. は
とても感覚的な慣用句ですが、
まず使って慣れていくことが大切ですよ!