「ノートを取る」「ノートを書く」「ノートをまとめる」…
「メモを取る」「メモに残す」「メモにまとめる」…
日常生活の中でもよく使われるフレーズですが、
どのように使い分けていますか?
例えば「ノート」の場合。
- 授業の内容をノートに取った。
- テスト範囲を整理する為に、ノートにまとめた。
- ノートに書いて、英単語を覚えた。
など、
自分の知識や記録を整理するために記入し、
保管しておくものというイメージです。
一方、「メモ」の場合。
- 新しい仕事を教わりながら、メモをとった。
- 伝言を受けたので、メモに残した。
- やることリストをメモにまとめた。
など、
ササッと走り書きして、
用事が終わったら捨ててしまうイメージです。
しかし、英語の“note” と “memo” は、
日本語と同じように使いません!
今回は、英語になると意味が異なる“note”と
“memo”の違いについてご説明していきます!
“note”の意味とは?
まずは、”note”の意味について見ていきましょう。
英英辞書で”note”を調べてみました。
1. something that you write down to remind you of something
何かを覚えておく為に、書き留めておくもの。
2. a short informal letter
略式の手紙
解説を見てみると… おや!?
なんだか「メモ」っぽくないですか!?笑
では、英英辞書の例文ではどのように使われているか見てみましょう。
1.Dave made a note of her address and phone number.
「デイヴは彼女の住所を電話番号をメモに残した」
↑ “note”のことなのに「メモ」って言っちゃってますね。(笑)
2.This is just a quick note to let you know that I won’t be in the office tomorrow.
「これは、私が明日オフィスにいないことを知らせる為の簡単なメモです」
↑ いや、この特徴は完全に「メモ」やないか! (M-1王者風。←笑)
そうです。
英語の“note”は日本語の「メモ」と同じ意味で使われるのです。
身近な例でいうと、「付箋」です。
「付箋」と言えば、メモの代表格ですね。
どんなところにも貼り付けることができて、
伝えたいことや覚えておきたいことを
しっかりと残しておける便利グッズです。
この「付箋」、英語で何と言うかご存じですか?
じつは
Sticky note (スティッキーノート)
「くっつくノート」
と言うんです!
こんなところでも、”note”はキチンと
「メモ」として活躍しているんですね~
“note”の成り立ち
そもそも、”note”という単語はどのように生まれたのでしょうか。
もともとはラテン語で「記号」を意味する“nota”と
同じくラテン語の「記入する」を意味する“notare”が合体し、
スランスの古語で“note” “noter“となりました。
そこから変化して英語の“note”が生まれたとされています。
その後14世紀ごろから、英語でも
「注意書き」や「記号」という意味で認識され始め、
「メモ」や「略式の手紙」としての
意味を持ち出したのは1540年ごろからだそうです。
“memo”の意味とは?
次に、“memo”の意味を見てみます。
ちなみに、”memo”は単語“memorandum(メモランダム)”の略です。
こちらは英英辞書によると、
1.a short note designating something to be remembered, especially something to be done or acted upon in the future; reminder.
すでにやったことを記録として残しておいたり、これからやることを覚えておくために書き留めたもの
2.a written statement of something.
書面による声明文
3.an informal message, especially one sent between two or more employees of the same company, concerning company business:
主に会社内において、2人以上の社員間でやり取りされる非公式な文書
1つ目は日本語の「メモ」の感覚に近いですが、
残りの2つはピンとこないですね。
実は英語の”memo”は、
業務連絡 や 覚書
などの場面で使用される単語なのです。
TOEICのPart7、長文読解問題でも
”memo” が社内文書として出題されます。
では、例文ではどのように使われているのでしょうか。
1.One of the documents leaked to the press was a memo written by the head of the security police.
「記者にリークされた書類の一つは、保安官のトップによる覚書だった。」
↑ 「覚書」として使われている「メモ」ですね。
2.The head of the federal Forest Service has sent a memo regarding the new legislation to managers.
「連邦森林局の責任者は、新しい規則に関する声明をマネージャー達に送った。」
↑ こちらは、業務連絡に近い使い方です。
3.Ann will send a memo to the staff outlining the new procedures.
「アンは新製品に関する業務文書をスタッフに送る予定だ。」
↑ こちらも、業務連絡としての使い方ですね!
“memo”の成り立ち
では、“memo”の成り立ちについても見てみましょう。
先ほどの項目でも少し触れたように、
“memo”は“memorandum”の略です。
もともとはラテン語で「覚えておくための」を意味する形容詞
“memorare”が
名詞形の「思い起こさせる物」を意味する
“memorandum”
に変化しました。
そして15世紀中ごろ、英語でも
「記憶しておくべきもの」として“memorandum”が使用されるようになったそうです。
まとめ
1.“note”の意味とは
→英語の“note”は日本語の「メモ」と同じ意味で使われる!
2.“note”の成り立ち
→ラテン語の「記号」「記入する」が由来
3.“memo”の意味とは
→業務連絡や覚書などの場面で使用される
4. “memo”の成り立ち
→ラテン語の「覚えておくための」が由来
最後に
今回は、日本語でも身近な単語“note”と
“memo”についてご紹介しました。
普段は「メモ」として使い慣れている単語が、
英語になると“note”だったり、
英語の“memo”が「業務連絡」を意味していたり…。
英語だと思って使っていた単語が、
実は日本語として独自の意味を持っている、
いわゆる「和製英語」と言われるものも
日常生活にはたくさん存在しています。
こんな単語も和製英語って知ってましたか?
改めて学習していくと、
日本語と英語の新たな魅力に気づくことができますよ。